広島市の平和記念公園では、原爆の犠牲者を追悼するために毎年8月6日朝8時に平和祈念式典が行われました。
この式典だけでなく、特に注目されるのは夕方に行われる「灯篭流し」というイベントです。
幽霊を導く台湾の「放水燈」と違い、日本では、灯篭に火をともして川や海の中に流すことで自分の先祖を追善するので、毎年のお盆に行われる行事の一つです。
そんな「灯篭流し」は、一昨年と昨年はコロナで2年間中止となってしまいましたが、今年は3年ぶりに一般の参加も受け付けることになりました。当日は会場の近くに人が多く集まってとても賑やかでした。
平和式典で使われる灯篭は色紙で作られて、だれでもその上に自分の伝えたいメッセージが書けます。ただ、今年は感染拡大予防のため、参加者は自分で川に流すことはできず、スタッフに代わりに流してもらうことになりました。
夕方の18時ころに人々の祈りメッセージが書かれた灯篭が、元安川に次々現れます。
空暗くなった時、色とりどりの灯篭は、みんなが平和への祈りや犠牲者への慰めを載せて、
柔らかな光を放ちながらゆっくりと河口に向かっていきました。
人は、国籍も人種も問わずに、川辺で水面を照らしながらゆっくりと流れていく灯篭の光景を見つめて、平和を強く願いました。
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