「南投市」はかつて台湾の行政の中心であった重要な町。ここでは昔の南投の教育を生み出した「藍田書院」と体育に深く関わる人文史跡「武德殿」が存在する。自転車に乗って移動すると、藍田書院から武德殿まで約2分しかかからないので、旅行のプランを計画するときに、半日間の町巡りコースはイチ押しです。武德殿のすぐ側に南投の伝統の朝市もあるので、出発前まずは台湾の伝統的な朝食を食べるのもできる。よく見ると、バロック建築様式の建物が朝市通りに並んでいる。
台湾初めての県立歴史博物館「武德殿」
921地震の被害を受けて、建物がほとんど破壊されてしまったせいで、武德殿は改めて今年の7月に一般開放を再開した。1937年(昭和12年)に建てられたこの建築は85年間の長い歴史を持っていて、今は南投の文化園区になっている。園区内では南投県県史料館、日本統制時代に流行っていた「南投焼」展示館、南投県史料図書館や芸術家資料館4つのエリアに分けられている。
まるでタイムスリップして日本統制時代に戻ったように、道沿いに佇む武德殿は唐風建築の外観を持っている。
一番目立つのは日本では「入母屋造」と呼ばれている「歇山頂」という屋根の仕様で、もう一つ少し気づきにくいのは「武」の文字が書かれている鬼瓦です。
南投教育発祥の地「藍田書院」
書院の名前は格言「猶如田中種玉,玉者青出於藍」から「藍田」二文字を取ったそうです。藍田書院は南投三大書院の一つで現地では俗称「文昌祠」または「孔子廟」です。武德殿の方向から来ると、道沿いに閩南式の伝統的なレンガ作りの建物がすぐ目に入る。衆生を守るという願いを込めて、書院の正門の名前は伝統的な五行思想の原理から「奇賢門」と決められ、その作りは台湾国内でもなかなか見られないデザインだ。正門のほかに、書院内にも「文運(*文学の運勢)」を象徴するデザインがたくさん隠されている。例えば半月の形をしている「半月池」の中にある鯉の飾りは「登竜門」の意味を示して受験生たちが試験に受かることを願っている。池の両サイトにある旗竿やスタンドは「中舉」(*科挙の試験で郷試に及第すること)を意味している。木漏れが差し、ゆったりと書院の中で散策しったり、涼亭でお茶を楽しんで静かなひとときを感じたりすると、まるで古色古香の中国庭園にタイムスリップしたようだ。
お父さんのおはこ〜訪れるお客様に幸せの味を届く「日日春油飯」
今回の半日旅の終点はもちろん日日春油飯にお決まり!次の世代への期待や伝承の意味が込められている教育や体育のように、日日春油飯のオーナーたちはお父さんから教え継がれたこの思い出深くて幸せなおはこの味をもっとたくさんの人々に届けたい。その想いから料理に対しての情熱やこだわりを感じられる。注文した油飯がまだ来ていないうちに、ごま油のいい香りがすでに鼻に届いた。一口食べてみると、椎茸、細切りにしたお肉、フライドオニオンやピーナッツなどの具材が食感の奥行きの深さを表して、油飯だけではなくて筍スープや滷排骨(煮込み骨つき肋肉)などのメニューも子供時代の味を思い出させてくれた。
2キロもない短距離なのですが、ここは人文歴史、そして工芸アートを生み出した町だ。人それぞれの信念があるからこそ歴史文化の伝承ができ、この土地の繁栄に至る。
探索情報
南投武德殿|https://www.nthcc.gov.tw/A2_1
藍田書院|http://www.lantian.org.tw/top.htm
日日春油飯|https://www.facebook.com/ririchunfoods