Taiwan area

台湾のコロナ対策事情と現在

台湾在住ブロガーをしているRieです。

世界で猛威を振るっているコロナウイルス
その中で優等生として台湾が取り上げられることが多くなってきました。

今回はそんなコロナ対策先進国の台湾がどんな風に対策を行ってきたのか、実際に台湾に住んでいて、現状どんな状況なのかご紹介したいと思います。

台湾コロナ対策の経緯

台湾は2003年に発生した伝染病SARSの経験から、世界に先駆けてコロナ対策に動いており、その経緯を政府はYouTubeにて各言語で公開しています。

台湾モデル(日本語版):潮台灣Trending Taiwan
https://www.youtube.com/watch?v=vwpTqLTE3s4

台灣模式(原文):潮台灣Trending Taiwan
https://www.youtube.com/watch?v=kygibi3PBKY

(以下、原文の中国語版から簡易翻訳)

2019年12月 武漢からの入国者を乗せた飛行機に対する検査を実施。
2020年1月7日 武漢市を国際旅行危険レベル1級に。
2020年1月12日 専門家を武漢へ派遣。
2020年1月20日 他言語での防疫情報を発信。
2020年1月23日 危険レベル引き上げ。
中央流行防疫指揮センターによる毎日の記者会見開始
2020年1月24日 大晦日の日、マスク着用外出を公布。
2020年1月25日 武漢旅行者の旅行経路システムを開発。
2020年1月29日 隔離者への物資提供や民衆の検疫開始。
2020年1月29日 隔離者の追跡システム開発。
2020年1月30日 マスク工場に人員配備。
2020年2月3日 「マスク実名制」システム開始。
(地図でマスク販売所がわかるように)
2020年2月5日 マスク国家隊を組織。
2020年2月9日 企業と政府が手を組み、75%以上のアルコール生産。
2020年2月12日 ウイルス検査を強化。
2020年2月16日 「入国検査電子システム」利用開始。
2020年2月21日 ダイアモンドプリンス号乗客19名を乗せた飛行機が入国。
2020年2月24日 国家衛生研究員が「公克級」レムデシビルを合成。
2020年2月25日 「厳重特殊伝染性肺炎防治及紓困振興特別条例」可決。
2020年2月15日 110万着の防護服を最前線へ支援。
2020年2月27日 マスクの生産が1日1200万枚突破。
2020年3月5日 毎週成人3枚、子供5枚に増やす。
(のちに成人9枚、子供10枚へ)
2020年3月8日 中研院が15分で試せる試験薬を合成成功。
2020年3月11日 第二陣武漢帰国者が入国。
2020年3月12日 「マスク実名制2.0」が実動開始。
(スーパーやコンビニでも受け取れるようになる)
2020年3月18日 16000名の帰国者に向けて在宅検疫実施。
2020年3月18日 台湾アメリカ免疫情報交換会談。
2020年3月30日 オーストラリアと免疫物資の協業。
2020年4月1日 国際社会へ向けた情報発信公布。

さらに、この動画以降の動きは以下。

2020年4月1日 公共交通機関でマスク着用、検温が義務化。
2020年4月9日 米紙ニューヨーク・タイムズに掲載する広告のクラウドファンディング開始。
2020年4月12日 マスク実名制自販機設置。
2020年4月14日 ピンクマスク問題への対応を政府、企業ともども発表。
2020年4月14日 米紙ニューヨーク・タイムズ「Taiwan can help」広告掲載。
2020年4月18日 海軍集団感染が発覚。
(これからどんどん増える)
2020年4月20日 銀行マスク未着用者入店拒否。
2020年4月28日 マスクの海外寄付が可能になる。
2020年5月1日 エタノールの輸出禁止。
2020年5月7日 国内感染者0。(〜現在まで)
2020年5月18日 外国人のビザ延長2回目。
2020年5月18日 マスク輸出解禁。
2020年5月20日 蔡総統就任の式典。
2020年5月29日 新型コロナ自費検査希望者全員が実施可能。
2020年5月31日 振興券発行(3倍券)を発表。
(台湾人配偶者がいれば外国人も対象)
2020年6月1日 マスクの市販解禁。
2020年6月5日 台湾鉄道と新幹線で車内飲食再開。
2020年6月7日 地下鉄でのマスク緩和開始、「新しい生活様式」スタート。

フォーカス台湾各記事より集計
http://japan.cna.com.tw/

現在では、経済対策に取り組んでおり、振興券発行に続いて、各行政組織や団体が抽選でクーポンを発行したり経済を回そうと頑張っています。

台湾生活の変化(発生時)

日本から帰国した時は、桃園空港にはツリーが飾られていました。

私が最後に出国したのは2019年11月

愛媛県内子町で開催されたクリエイターズコミュニティの展示会「いちげ温泉展」に参加したのが最後です。

コロナが発生したのは、展示会が終わり台湾に帰国してからなので、発生から現在に至るまでずっと台湾に住んで、コロナの状況を肌で感じてきました

まず、一番にコロナを意識し出したのは、春節の時期。

中国で不思議なウイルスが発生したらしいという噂が台湾国内で広がっており、政府は春節の台湾入国の渡航を制限しました。

2020年3月末に見つけたポスター
それから、毎日の記者会見が始まり、どんどん台湾国内ではウイルス対策に力を入れていきました。

一方そんな中、日本にいる方にこんな状況だから気をつけて!と話しても「大げさだ」とか「不安を煽る」と相手にされないことが多く・・・私以外の台湾在住の方も同様にこの状況の違いに葛藤したのではないでしょうか。汗

17年前にSARSを体験した台湾人のみなさん。

当時の状況と現在とを比べ、政府はもちろんですが、民間レベルでもやらなけらばいけないことを理解しているようでした。

2020年1月30日のマスク状況のT V報道

徹底したマスク着用と消毒。

対策本部が立ち上がったあたりから、猛スピードで薬局からマスクと消毒液が消えました。

その状況を政府はいち早くキャッチし、マスクを買い占め、均一価格で購入数量制限をつけて管理。台湾は一人一人にIDが振られているのですが、それを活用した配布スケジュールやマスクマップの構築。

本当に冗談なく毎日かわっていく法案や対策内容の変化に追いつこうと、毎日放送される記者会見をみんな食い入るように見ていました。

また、その記者会見も国民の声に寄り添ったもので「質問がなくなるまで終わらない」というルールを作り、長い時は1時間以上続くことも。

武漢から帰国した台湾人で新たな感染者が出た2月4日、記者会見で陳部長の流した涙はその日のうちに一斉に台湾のニュースメディアが取り上げたのを覚えています。

帰国した台湾人1人の感染確認 指揮官の涙に20万人以上がエール
http://japan.cna.com.tw/news/asoc/202002050005.aspx

政府が頑張っている姿を見て、国民感情が動かないわけがありません。

台湾生活の変化(街の様子)

2020年4月14日撮影 広告が消えた地下鉄

コロナの影響は生活している中でいたるところで感じます。

一番は、やはり経済。

私は通勤で地下鉄を利用しているのですが、台北の若者が集まる繁華街の「忠孝敦化駅から広告が一斉に消えて、視界が真っ白になったのは本当に衝撃でした。

特に台北は観光都市としても有名で、海外からの観光客で成り立っているお店もたくさんあります。

また、台湾人は海外旅行が大好き

旅行に行けない状況になり、たくさんの旅行会社が倒産、航空会社も赤字続き

知り合いの外国人をターゲットにしていたお土産ショップは、2店舗展開していたのですが、最近その店舗を閉じました。

もちろん政府の補助金など救済対策がありますが、そのお金が回ってくるのは比較的大きな企業ばかりで、小規模の個人経営だとなかなか対象にならないといわれているオーナーさんもいました。

また、公共な観光スポットを中心にあらゆる施設で、検温とマスクの着用が義務付けられました。

生活の変化(現在)

2020年10月31日に開催された台北 LGBT Pride

では、コロナの発生から1年経った現在どんな様子かというと・・・生活面では、一部交通機関でのマスク着用義務はありますが、ほぼ以前のコロナ前の状態に戻りつつあります

ライブや週末イベントなど、どんどん開催されており、観光客がいない状態なので、観光地は人が少ないですが、現地の方が多い夜市や朝市は非常に密です。

先日もアジア最大のLGBTプライドに参加してきたのですが、たくさんの人で賑わっていました。

2020年6月6日の落ち着いて通常に戻りつつある基隆夜市

台湾国内での感染者は200日以上連続0人を更新しており、現在発表される感染者は国外からの入国者のみになりました。

ただ、その状況を疑う市民もいたりして、気持ちの緩みすぎないように気をつけて生活しています。

落ち込んでいた経済については、二極化が進んでおり、新しい対策やサービスを開始した企業は回復の兆しが見えている状況です。

ここから、いくつかコロナの影響で始まった新しいサービスを紹介します。

コロナの影響でできた新サービス

擬似出国体験

海外渡航が制限され赤字が続いていた航空会社は「擬似出国体験」というサービスを始めました。

日本~台湾間の飛行機から

空港とタッグを組んでイミグレーションを通り、飛行機に乗り、空を一定時間飛行して帰って来るというもの。

最初は、抽選で当たった方向けに行ったイベントですが、現在では、季節のイベント限定飛行アフタヌーンティーやディナーが楽しめるプランなどを展開しています。

出国体験、スターラックス航空も 張会長が自ら操縦 発売5分で完売/台湾http://japan.cna.com.tw/news/atra/202008040004.aspx

出国体験フライト、今度は七夕に 中華航空とスターラックスが実施/台湾http://japan.cna.com.tw/news/atra/202008160002.aspx

 

越境ネット販売も盛んになりました!

実家に送ったマンゴー

新しい取り組みとまでは言えないのですが、コロナの影響でかなりの企業が海外向けの販売に力を入れ始めました。

特に代表的なのは、チケットやツアーの販売が中心の観光サービスを提供していた「Kkday」。

KKdayはコロナが発生した当初、無薪假(緊急時に合法的に行う給与が発生しない休み)を行っているとニュースに取り上げられるほど、大変な状況だった企業の一つ。

現在では、台湾に行きたくてもこれない日本人向けに「おうちで台湾」と称し様々な企業とコラボし、商品展開をおこなっています。

Kkday
https://www.kkday.com/ja/promo/best-souvenir-n-must-visit-spots-in-jp

台湾に住んでて思うこと

世界がコロナで大変な状況になった今、台湾に住んで生活をしていることを心から幸運に思っています

私は日本に住んでいないので、日本での補助を受けることは今のところないです。

さらに日本の状況が悪くなると一時期日本人ってだけで少し怖がられる(コロナ菌を持っているのではと疑われる)こともあり、生活する上で日本人とバレないようにしたり、大変なこともたくさんありました。(今はそんなことはありません)

しかし、今回のコロナ対策で、政府は私たちのような台湾在住の外国人に対しても、気にかけてくれているのがわかります。

もちろん、台湾人と全く同じ条件とは言えないけれど、ビザが切れる人のための滞在延長をおこなったり、各言語での相談窓口を作ったり。

以前、蔡英文総統の演説で「外国人も同じ船に乗っている」と表現してくれたことがあり、感謝の気持ちが止まりませんでした。

Taiwan can help!

この言葉はニューヨークタイムズの一面に台湾の有志たちが出した広告文。

世界は台湾が助けます、助ける力があります。というポジティブな抗議文です。

コロナが起こる前は、もしかしたら存在すら知らない人やタイと間違っちゃう人もいたかもしれないけれど、台湾ってとても進化していて、素晴らしい国だってことが、不幸中の幸いか今回のことで少しずつ世界に伝わっていて、すごく嬉しく思っています。

コロナが落ちつくまで台湾国内のみんな頑張ってるので、自由に行き来ができるようになったら、ぜひ台湾に遊びに来てください!

記事執筆&写真:Rie
アイキャッチデザイン:いちげ氏