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黒潮の人魚姫Ⅰ(高知県土佐清水市)

台湾南部沖に発生し黒潮は、台東を北上し、沖縄諸島を経て日本列島を目指す。着岸する場所は四国・高知県土佐清水の「臼碆」(うすばえ)だ。臼碆は太平洋に突き出した錐のような磯で、竜宮神社が鎮座する。

日本人の遠い先祖たちは黒潮に乗って南から小舟に乗ってやってきた―といわれている。2014年春、新聞社の取材でこの臼碆に立ったとき、台湾への興味が芽生えた。日本人とはもともとどんな人たちだったのか―!?そのヒントは黒潮源流域の台湾にある―と思ったからだ。

黒潮は人々とともに伝説や神話も南の島々から日本列島にもたらしてきた―、そんな話をしていていると友人で四国在住の舞台女優、原真礼さんが、「ならば私は臼碆で人魚姫に変身したい」と言い始めた。

雪女、天女、鶴、キツネ、タヌキ、カワウソからかぐや姫に至るまで、異界からやってきた女性は絶世の美女で、恋物語や夫婦話などがつきまとう。

黒潮×人魚は愉快でロマンチックな組み合わせに違いない。

「黒潮に遊ぶ人魚姫がある日、この磯に流れ着き、ちょっと一休みしていた。するとそこへ村の青年が通りがかり・・・」とシャッターを切ながらイメージが膨らんだ。

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黒田仁朗
黒田仁朗
著書:「山折哲雄の新・四国遍路」(PHP研究所)、「ゆすはら物語」(東海教育研究所) 。元産経新聞記者。 著書:「山折哲雄的新・四國遍路」(PH研究所)、「檮原物語」(東海教育研究所)。前產經新聞記者。